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Chonaso's Commentary

InternetやIT技術などについて知ったこと、試したこと、考えたことを書いていきます。

テレビ未来予想

2009~2011年にテレビ向けポータル・動画配信サービスの会社に出向していました。 昔はテレビっ子、最近はテレビ関連の技術などにそこそこ興味を持っていたこともあって テレビについて色々考えさせられた3年弱でした。

在職中にこういったことを書くのはどうかと思い控えていましたが、 とある誓約書の期限も過ぎたのでそろそろ大丈夫かな、てなわけで何回かに分けて書こうかなと思います。

「テレビ」とは何か

「テレビ」といったら何を指すのかというのは人それぞれかと思います。 人によっては「地上波放送」、あるいは「チューナー+モニタ」のことを思い浮かべるかもしれません。 ここではもっと割り切って「テレビ=動画向けのモニタ」として考えたいと思います。

考えに至る背景

10年くらい前まではブラウン管なテレビを一日中つけっぱなしにしていましたが、現在はテレビ番組視聴環境はPCへ移行しています。 自宅にいるとき(会社でもそうですが)は常にPCですし、お風呂に入ってる時もタブレットで観れるので非常に具合がいいです。

ちなみに、地デジ移行前後に短期間40インチの液晶テレビを持っていましたが、アンテナには繋いでおらず PCだけにつないでデカい動画視聴用モニタとして使っていました。 が、動画を見る際のウィンドウ移動すら面倒だったこと、メインのモニタも30インチあったので実は事足りていたこと、狭い部屋に40インチ(30インチ台のフルHDってほとんど存在しないため)のテレビはやっぱりデカすぎた等の理由で処分してしまいました。

その結果、リアルタイムでTVを観ることがほぼなくなり、観るかもしてない番組はキーワード登録でとりあえず録画、 録画番組を観るときはPCモニタ上で作業ウィンドウと同一視界に置くようなスタイルになりました。

おかげさまで最近のCMネタやバラエティネタについては相当疎くなっています。 個人的には支配的な情報メディアではなくなったという感じでしょうか。そのポジションにインターネットが納まっただけかもしれませんが。

成功するデジタル家電の条件

歴史的に見て、PCで起こったムーブメントがデジタル家電に後追いで入ってきます。

音楽で言えばカセットテープは消え、MDはさほど普及せず、今ではMP3をはじめとしたポータビリティの高いデジタルデータへと代わりました。

テレビであれば液晶化、電子番組表やキーワード録画と連動したハードディスクレコーディング、モバイル端末への転送、ネットサービスへの対応など、PCでその機能性や利便性に確証が得られたものは家電へ取り込まれています。

テレビの最終形

上記を踏まえたうえで先に見えるのは「テレビからはチューナーが消えすべての映像ソースは外部から入力する」という様式です。 各種STB*1やAppleTV・Chromecastが現在担っている役割はスマートフォンタブレットに直接置き換わります。 つまりスマートフォンの出力を無線で直接テレビに映す形になります。

そしてTVチューナーは無線アダプタ化あるいは建物埋め込み型のような形になり、TVとの無線接続はもちろんスマートフォンウェアラブルデバイスでの直接視聴が可能になります。

そうやってテレビは映像出力装置のワンオブゼムとなっていきます。実にシンプルです。 過渡的にはSTBがその橋渡し役となっていくと思います。 (そうなると放送波番組もコンテンツソースのワンオブゼムになっていきますね…)

テレビが背負っているもの

まとめると、これからのテレビに求められるものはテレビのアイデンティティである映像機能とデバイスとのコネクタビリティです、と言いたいところですが、 今現在のテレビ利用状況を見る限りテレビはテレビ以外の情報機器に対するリテラシーの高くない人こそをフォローしなければならないため、価格や使いやすさを追及したモデルも必要になるというのがテレビの難しいところです。

情報機器に明るくない人達は携帯電話とテレビの草刈場といえますが、 テレビはPCや携帯電話とは比べ物にならないほど求められる製品寿命が長く、時勢に合ったサービスを提供しづらいという弱点があります。

例えばNetscapeの最終バージョンが出たのは2007年ですが、もうNetscapeを使っている人は皆無です。 しかし、2007年モデルのテレビはまだまだ現役です。

インターネットが台頭した時点でレジデントアプリ(機器内蔵アプリ)の時代はすでに終わっていたのかもしれませんが、「昔買ったSTBを久々に付けたら使えるサービスはアクトビラだけになっていた」なんて話を現実に聞くようになりました。 STBであれば片づけるなり処分するなりすればいいですが、テレビの場合は内蔵機能としていつまでも使えもしないサービスがメニューに残ります。

メーカーはテレビの買換えサイクルが3~5年になるような夢を見ているかどうかはわかりませんが、この情勢を崩すのは4k8kを以ってしても難しいのではないでしょうか。

テレビは画質やデザイン、消費電力などプリミティブなところで進化してほしいな、と思うのが個人的な思いです。

*1:セットトップボックス:TVに接続して何らかの映像サービスを利用するための機器