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Chonaso's Commentary

InternetやIT技術などについて知ったこと、試したこと、考えたことを書いていきます。

フォローアップ 光コラボ

インターネット FTTH FMC

下記のフォローアップ記事です。

2014年10月16日にNTT東西より光卸サービスである「光コラボレーションモデル」の提供条件を公表しました。

NTT東西は自らは光サービスの卸すのみで、販売はリセラー(参画する事業者で「サービス提供プレイヤー」と呼ばれる)に託すという いわゆるB2B2Cの構図となります。

今回の発表は全体的には2014年5月の発表から想像できる範囲から大きく外れるものではありませんが、 実際に光卸サービスが提供されることが確定となり、今後FTTHあるいはFMCを取り巻く情勢が大きく変わっていくのは間違いありません。

その中で注目するべきポイントを考えました。

■光サービス(アクセス回線)内容と価格

スペックそのものの言及はありませんが「転用手続き」(後述)があることから、現行のフレッツ光と同等のものと考えられます。 各サービス提供プレイヤー毎の差異が無いため、MVNO間競争のようなスペックによる差別化は皆無です。

一番のポイントともいえる卸売価格はNDA事項となっているようで公開されていませんが、 「ボリュームディスカウントは一切しない*1」とのことなので、 ほぼ一律の価格と考えられます。

■関連サービス

光サービスを必須として、「ひかり電話」「フレッツテレビ」など、フレッツと同様のオプションサービスが利用可能です。

■サービス提供プレイヤーに求められるもの

(1)顧客管理・カスタマサポート

エンドユーザ(見込み顧客)からの申し込みや契約対応、問い合わせや故障申告に対する一次切り分けやNTT東西への取次などのカスタマサポート業務はサービス提供プレイヤー側で行なう必要があります。

(2)収納代行

エンドユーザに対しての料金請求や回収するための仕組みが必要となります。 すでに別のビジネスでこの仕組みをもっている事業者は参入しやすさや囲い込みという点で有利です。

いずれも既存のISPの業務と重複ですが、ISPの最大のウリであるバックボーン(コアネットワーク)が不要であることで参入の障壁が一気に下がったかと思います。

■価格やサービスの差別化要素

サービス提供プレイヤーに費用が転嫁される部分が差別化可能な要素となります。

  • 工事費(およびキャンセル費)
  • 事務手数料
  • 回線料金(割引、月払い、○年縛り、一括払いなど)
  • 収納方法
  • キャンペーンやキャッシュバック
  • 付加サービス
  • カスタマサポート

■転用手続き

今後NTT東西は裏方に徹する流れです。 既存のフレッツ光についても光サービス卸への移行が可能となっており、今後フレッツ光はコストメリットの高い(と思われる)FVNOの光サービスへと移行していくことになりそうです。

■各サービス提供プレイヤーの戦略

(A) 既存ISP

おそらくこの動きで一番割を食うのは現在FTTHサービス提供シェアの大部分を占めている既存のISPかと思います。 各ISPは固定回線の収益だけに依存しないための道をそれぞれ模索していますが、現時点においては固定回線は生命線です。

再編が進むISPにさらなる環境の変化といえますが、以下がポイントになります。

  • これまでBフレッツ会員の獲得の際に得ていたNTT東西からの支援も期待できなくなるため、獲得競争を勝ち抜くための体制作りが必要となります。
  • 光サービス卸になることで事業者の乗り換えが盛んになることが予想されます。ISPがドコモやソフトバンク等の大手キャリアの草刈り場にならないようにするためのリテンション施策が必要です。
  • (明確な根拠となる資料は今時点で手元にないですが)自前での相互接続(従来のフレッツサービス)より提供コストが安くなりそうですので、自社のBフレッツ会員の光コラボ回線への移行が急務です。

また、これまでのノウハウを生かして他のFVNOのカスタマセンター業務を請け負うというビジネスも生まれるかもしれません。

(B) FMC*2で攻勢をかけるモバイル事業

NTTドコモや自社設備による光サービスを展開していない(断念していた)ソフトバンク、これまで固定回線サービスを取り扱っていないMVNO事業者は、 モバイル回線とのセット割引が可能となります。

(C) 販売力やサポートで勝負する事業

流通や家電量販などの事業者は店舗を生かしてサポートサービスを売りにした、自身のブランドでインターネット回線を販売することでストックビジネスを始めることができます。

特にこれまではISPの代理店的存在であった家電量販店は、元々PCやデジタル家電スマートフォンタブレットなど、インターネットと親和性の高い商品を扱っていますので、ハードを含めたワンストップサービスを提供することができます。

とか言ってる間にPC DEPOが早速参入表明ですね。 *3

(D) 営業力を生かしてより高い利ざやを求める事業

これまでキャリアやISPの代理店として動いていた事業者が、そのノウハウを生かして自身のブランドの回線を直接販売することでより優れた経済条件を得られる可能性があります。

(E) 独自のサービスで差別化を図る事業

NTT東西が一番期待している部分かと思いますが、高速かつ安定した通信品質の固定回線を生かすことのできる高い付加価値を持ったサービスを展開する事業者の登場してくるかもしれません。

現在のモバイル回線は技術的なポテンシャルはあるものの、限られた通信帯域が足枷となっているためまだ当分は固定回線のニーズは続きます。

■今後

当分は熾烈な獲得競争になるかと思います。 サポートはともかく、回線の品質はMVNO間の比較とは違って全くの横並びです。 消費者の求めるものは価格なのか、サービス内容なのか、サポートなのか、このあたりが競争の先に見えてくるかと思います。

おそらく価格だと思いますけどね…。

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