Chonaso's Commentary

InternetやIT技術などについて知ったこと、試したこと、考えたことを書いていきます。

なぜITエンジニアは最新技術・動向をキャッチアップし続けなければならないのか

IT業界に限ったことではありませんが、パラダイムシフト(というには大げさかもしれませんが)と呼ぶべき、その時々での節目となる技術要素があります。 それらは新しい機能や表現、開発効率やコストダウンあるいは新たなビジネスチャンスといった「次の時代」をもたらします。 逆にそういった技術要素や動向を知らずにいることは大きな不利を招きます。

さらに、古いもの(進化しないもの)の多くは消えていきます。 (歴史のあるプロダクトや技術の大半は現在でも更新が続いています) 消えるならまだしもリスクになってしまうこともあります。 IT業界においては「この技術さえ押さえれば一生食べていける」というものは非常に少ないのです。


パラダイムシフトのきっかけは一部のエンジニア、つまりイノベーターによって作られます。 その動機は様々ですが、根本には彼らの好奇心や快楽、快感があってのことだと私は考えています。 仮にアーリーマジョリティ・レイトマジョリティが望まなくとも、この業界の流れの大半はイノベーター・アーリーアダプタが作ってしまいます。 言い換えればイノベーター達の趣向には逆らえない、付いていくしかないのです。


では、パラダイムシフト(の結果)だけをキャッチアップしていけばいいのでしょうか。 それは非常に効率的かもしれません。 なぜなら日々生まれるプロダクトや技術要素のうち、一部または多くは主流にならないからです。 自分が担いだ技術要素がマイナーなものになって開発も終わってしまうかもしれません。

しかし日進月歩のIT技術といえど、ある日ある瞬間に突然世界が変わるようなことは滅多になく、後からキャッチアップした人から見たらパラダイムシフトのように見えるものでも実際は日々進化・取捨選択されていった結果であったりします。


このパラダイムシフトとパラダイムシフトの間で日々やり取りされる様々な情報の中から知識を重ねていく過程が重要であり、そのためには今現在の流れの中に身を置かなければならないと私は考えています。 そして幸いにしてWebではその性格上ITに関する技術要素についての情報発信や議論がさかんに行われています。 (これが進化の速度を早めているという考え方もできますが…)

主流にならなかった技術はなぜ主流になり得なかったのか、ニッチなプロダクトの競合が出現していないか、競合するプロダクトのそれぞれのメリット/デメリットは何か、ハードウェアやミドルウェア・ネットワークの進化によって実用的になったものは何か、など様々な観点がありますが、これらの中から自分の武器となる知識を得たり、刺激を受けることでこの業界で何とか生き抜いていきたいものです。